混合水栓を操作するたびにギシギシいうので、カートリッジの交換を前提に分解清掃してみました。
まずは状況の確認
いつ交換したのか覚えていないキッチンの混合水栓。
少なくとも10年以上使っているような気がしますが、何年か前にもギシギシいうので分解清掃したことがあります。
で、この場合混合水栓の内部にあるカートリッジを交換するというのが最も簡単かつ安全な対処法と言えるでしょう。
ただ古すぎて交換用のカートリッジが廃盤になっている可能性もあるので、まずはカートリッジの型番を調べる必要がありますね。
ちなみに「混合栓 ギシギシ」で検索すると、カートリッジに水栓用シリコングリースを塗布するという方法も出てきます。
水栓用は容量のわりに価格が高いので代用品がないか?という質問も出てきますが、水回りに一般的な油脂類を使うのは気が引けますね。
その辺りの対処法なども考えつつまずは状況確認のために混合水栓を分解してみようと思います。
混合水栓の分解
数年前に一度分解したことがあるので大体の流れはわかりますが、破損させないよう慎重に作業しましょう。
止水栓を締める
まずは二箇所の止水栓(水とお湯)をマイナスドライバーなどで時計回りに回して水を止めます。
これをやっておかないとカートリッジ抑えのリングを外した時点で水が吹き出し大惨事になります(笑)
シングルレバーの芋ネジを外す
シングルレバーを上げると水・お湯の向きを示す表示がありますので、精密ドライバーなどでこじって取り外します。
中にはレバーを固定するためのイモネジがあるので2mmのヘキサゴンレンチで取り外します。
これでシングルレバーが外せるはずなんですが、経年による汚れのためかガッチリはまって外れません。
今回はマイナスドライバーでこじってなんとか取り外すことができました。
カートリッジ押さえのリングを外す
レバーが外れると化粧リングが出てきます。
一見するとどこにも手がかりがなくどうやって外すの?って思いますが、よく見ると二箇所切り欠きがありました。
最初はモンキーレンチで外そうと思いましたが幅が広くてサイズが合わず。
ウォーターポンププライヤーで傷がつかないよう慎重に外しました。
続いてカートリッジ押さえのリングです。
こちらはわかりやすく切り欠きが二箇所見えるのでモンキーレンチで外せました。
これでカートリッジが外せました。
型番はsaneiの「U101-120XW」で、検索したら以下のものが見つかりました。
品番は「PU101-120X」で概ね五千円程度で購入できるようです。
とりあえず新品交換が可能なことがわかってホッとしました。
しかし外したカートリッジの三行目の数字が製造年月日だとすると2012年9月7日ということですか。
もう12年も使ってることになるんだから、そりゃあ不具合も出るというものですね。
分解した混合水栓を掃除する
無事にカートリッジが取り外せたのでできる限り分解して構造を観察しつつ清掃してみます。
カートリッジの分解
交換前提なので、できる限りでと思っていましたがほぼ全ての部品を分解できました。
分解しながら仕組みをあれこれ見てると、水とお湯の切り替えや水量の調整など、なるほどと感心してしまいます。
しかしこの構造だと、前述した水栓用シリコーングリスによるメンテナンスはここまで分解しないと意味がなさそうだと思いました。
しかも油を差す部分は水が流れる流路と完全に分離されていないので、市販の潤滑油を差しての対応などは以ての外です。
今回は型番を調べることと構造を知ることが目的だったのでここまでバラしましたが、通常はカートリッジを交換するのが良いでしょう。
ちなみにこの「洋梨」みたいな形をしたパーツ、台所用洗剤をつけて歯ブラシでゴシゴシ洗ったら金網が入ってたのがわかりました。
一つ前の画像と比べてもらうと違いがわかりますが、水道に含まれる鉄分で錆びていたのでしょうね。
カートリッジ押さえのリングはスチールウールで、化粧リングはダイソーの「やわらかコゲとりスポンジ」でできる限り磨いておきました。
ネジ山にも経年による汚れがたまっているので、掃除しておくと脱着時の回転が軽くなりますね。
カートリッジの組み立て
カートリッジ関連部品の掃除が終わったら元どおりに組み立てていきます。
小さい部品もあるので紛失しないよう慎重にしなければいけませんが、組み立ての順序などははまるようにしかはまらないのでよく見ていけば組み立てられないことはないでしょう。
混合水栓とシンク周りをみがく
とりあえずカートリッジ周りの部品はきれいになったので水垢で汚れまくった水栓とシンク周りを磨いていきます。
カートリッジを外した時点でこの汚れですから、浄水器を付けていてもこの水を使っていたのかと思うとゾッとしますね。
ステンレスのシンク周りの掃除といえばクレンザーですが、今回は台所用洗剤とダイソー「やわらかコゲとりスポンジ」のみで掃除してみました。
フライパンや鍋の焦げ取りに使うものですが、傷がつきにくいわりに汚れ落ちが良いのでよく使いますね。
軽くこするだけでも大抵のこびりつき汚れが取れるので助かります。
だいたい汚れが落ちたら止水栓を少し開けて混合栓内の汚れを水で洗い流します。
掃除した混合水栓を組み立てる
これで全ての部品の掃除が終わったので分解した部品を組み立てていきます。
最初にカートリッジを入れてカートリッジ押さえのリングで固定します。
この時点で止水栓を開けて水漏れがないか確認しました。
ちなみにこの押さえリングは締めすぎるとレバーの動きが渋くなるようです。
レバーの動きを見つつ調整しましたが、ゆるいと水漏れするので適度な締め具合が要求されます。
もっとも新品のカートリッジに交換すればそこまで神経質になる必要もなさそうですが。
カートリッジ押さえリングの締め付けが済んだら次は化粧リングを取り付けます。
押さえリングのOリングが潰れるくらいの感触で締めすぎないように注意しましょう。
締めすぎるとOリングが噛み込んで外れにくくなるかもしれません。
ギシギシいわなくなった混合水栓
最後にシングルレバーを差し込み芋ネジで固定して作業は終了。
今回は応急処置ということで分解清掃としましたが、レバーの動きは軽快になりギシギシはなくなりました。
今まで操作の重いレバーとギシギシに慣れてしまったせいか?軽快になったレバーが軽すぎて違和感が半端ないです(笑)
これが本来の軽さなんでしょうが、今後新品カートリッジに交換した時に改めて感触を確かめてみたいと思います。
ということでピカピカになった混合水栓とシンク周り。
今回分解してわかったことは、経年による混合栓レバーの渋さと汚れを考えた時、これは定期的に分解清掃した方が良いだろうということです。
そんなのは一般的ではないと思うものの、やはり分解した際の内部の汚れを見てしまうと放っておくことはできないような気がしますね。
(追記)新品カートリッジに交換
分解清掃後、三ヶ月ほど様子を見てきましたが結局カートリッジを新品交換しました。
カートリッジ押さえのリングをきっちり締めるとレバーの動きが渋くギシギシいうので若干緩めにしておいたのですが、そのせいで常時ポタポタと水漏れするようになりました。
原因はカートリッジであることは明白だしさすがにもう寿命ということでしょう。
品番:「PU101-120X」が互換品として今でも販売しているのでネット通販で購入。価格は3,000円でお釣りが来るくらいでした。
上に書いた手順でカートリッジを交換、レバー動作時のギシギシも解消。操作も軽くなったし、こんなことなら早く交換しておけばよかったです。
ちなみに、カートリッジ抑えのリングはしっかり締めないと水漏れするので、様子を見ながら破損しない程度の締め付けとしました。
化粧リングはその名の通り化粧リングなので手で回せるくらいの締め付けで良いでしょう。
ここをガチガチに締め込んでしまうとカートリッジ押さえのリングと一体化して取り外しが困難になりそうなので締め過ぎ注意ですね。
ということで、今回の作業では交換部品が入手できるなら新品交換がオススメです!
いろいろやりましたが結局新品交換が確実という結果になりましたが、仕組みや対処法がわかったのでヨシとしておきます(笑)
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