SG-1000 ジャンクポータブルバッテリーの修理

修理完了したSG-1000 修理・改造・メンテナンス

先日「SG-1000」というジャンク品の古いポータブルバッテリーを手に入れました。
本体のみで充電器等の付属品が無いので動作確認等はできませんでしたが、税込110円だったので最悪部品取りでもいいかと購入してきました。

ジャンクなSG-1000の動作確認

購入した商品はメルテックというメーカーのもので12V-7.0Ahの鉛シールドバッテリーを搭載。
AC/DC充電アダプターで内蔵バッテリーを充電、二口のシガーソケットからDC12Vを供給できるポータブルバッテリーということです。

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ジャンクなポータブルバッテリーSG-1000

とりあえず外観から分かる範囲で確認してみると上部中央のヒューズソケットに刺さっているはずの10A平形ヒューズがありません。そのほか本体側面にあるはずの金属板も欠品ですね。

SG-1000の充電用DCジャック

充電用DCジャックは一般的な5.5/2.1mmよりセンターのプラス端子が太いものでした。
DCジャックがケースに対して斜めに取り付けられているせいでガタがあり収まりが悪いです。

SG-1000充電チェック

指定の10A平形ヒューズをさして別機種の12Vポータブルバッテリー用充電器で充電テストをしてみました。
充電ランプが点灯しシガーソケットからの出力も14Vを表示したので充電の機能は問題なさそうです。

この状態で「バッテリーチェック」ボタンを押してみましたが、インジケーターランプが点灯しなかったのでここが故障している可能性はありそうですね。

その後数時間充電を続けてみましたが使用可能な電圧まで上がらなかったので内蔵バッテリーはダメですね。

修理内容の検討

確認した結果、不具合箇所としては以下の部分が気になりました。

  • 内蔵バッテリーが寿命
  • バッテリーチェックが機能せず
  • DCジャックが斜めに取り付けられている

バッテリーは新品か良好な中古品を探すということで交換するしかないでしょう。
バッテリーチェック機能は基板なのかボタンなのかわからないのでさらにチェックします。
DCジャックは一旦外して基板に対してまっすぐにハンダ付けし直す感じですね。

各部のチェック

ということでまずは本体を分解します。

内蔵バッテリーの電圧

内蔵されていた鉛シールドバッテリー単体で電圧を測ってみると2.83Vと出ました。
これはもうダメなので廃棄します。

SG-1000基板の動作チェック

分解して取り出した基板に以前購入したLiFePO4バッテリーを接続して改めて動作チェックをしてみます。

二口あるシガーソケットからの出力電圧は13Vを示しここは問題なし。
動作確認で点灯しなかったバッテリーチェックのインジケーターですが、チェックボタンに使われているタクトスイッチを基板裏側からショートさせてみたら点灯しました。

以前フィルムスキャナーの修理で前面パネルのタクトスイッチを交換しましたが、この部品が経年で接触不良を起こし電源が入らなくなるという症状はよくあることみたいですね。

修理箇所と交換部品

ということで修理する箇所は、

  • バッテリーの交換
  • バッテリーチェックボタンのタクトスイッチを交換
  • ついでなので充電用DCジャックを一般的な5.5/2.1mmに交換

ということにしました。

DCジャック自体は問題無いのですが、斜めになっているもの一旦外して付け直すならついでによくある一般的なサイズに変えてしまった方が充電用プラグの使い勝手が良くなるだろうと思い交換してしまうことにしました。

ちなみにこのチェック作業中に電源部をショートさせてしまい10Aの平形ヒューズを切ってしまいました。

このヒューズは以前LiFePO4バッテリーを搭載した「DC WORK M-1」でも使うのでこの際予備として新品をいくつか買っておきましょう。

部品交換作業

修理に必要な交換部品が揃ったので作業を進めます。

SG-1000_交換パーツ

部品交換するのは上の画像の赤丸で囲んだ部分。

まずは分解した本体ケースから取り外した上面操作パネルにねじ止めしてある各基板を分離。
フリーになった基板の裏からDCジャックやバッテリーチェックのタクトスイッチのハンダを吸い取って古い部品を取り外します。

タクトスイッチの比較

5.5/2.1mmの交換用DCジャックはサイズが同じだったので、ケースに対してまっすぐになるように半田付けして作業完了。

続いて接触不良のタクトスイッチを交換しますが、新しいものと接触不良の外したものを比較してみるとボタン部分が若干短い感じ。
事前に基板上のスイッチのサイズを測って「6x6x9mm」というサイズを用意しましたが、高さは10mmでもよかったかもしれませんね。

とりあえず今回はこのスイッチを取り付けて様子を見ることにします。

修理したSG-1000の動作チェック

基板上の部品交換が終わったので手持ちのバッテリーを内蔵して動作確認をしてみます。

LiFePO4バッテリーを搭載

「DC WORK M-1」のものとは別に、同じ12.8V-6AhのLiFePO4バッテリーを追加購入してあったので今回はこれを内蔵してみます。

修理完了したSG-1000

バッテリーを内蔵し本体ケースを組み立ててから10A平形ヒューズを取り付けバッテリーチェックボタンを押してみるとインジケーターランプが無事点灯。
シガーソケットからの出力もバッテリー単体で計測した電圧が出ておりこちらも問題なし。
一時的にAC/DC充電アダプターを接続してみると電圧が上がっていく様子が確認できたので充電機能も働いているようでした。

斜めに取り付けられていたDCジャックを5.5/2.1mmの一般的なサイズに交換できたので、充電時にDCジャック変換アダプターを使わなくて済むようになったし、本体に対してまっすぐになるよう基板上に半田付けし直したのでガタもなくなって気になっていた見た目も改善できました。

ちなみに少し短めかと思ったバッテリーチェックボタンのタクトスイッチ、インジケーターランプは問題なく点灯したんですがやはりサイズがあってなかったようです。
操作してみるとスイッチのボタンを奥まで押し込まないと点灯しないので、やはり高さは10mmのものがいいみたいです。


ということでジャンクなポータブルバッテリー「SG-1000」の修理は一応完了となりました。

内蔵されていた鉛シールドバッテリーをLiFePO4バッテリーに交換したので今後の充電方法が課題ではありますが、使い道なども合わせて今後検討してみたいと思います。

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