100均人感センサーライトをUSB電源化してみた

センサーライトのUSB化改造に使うパーツ群 修理・改造・メンテナンス

100円ショップ等で入手できる乾電池使用のセンサーライトをUSB電源化してみました。
この記事は設置場所に適したセンサーライトの選定、USBによる電源供給に必要な部品の検討と改造のしかた、センサーライト設置後の様子などをまとめてみたものです。

センサーライトの改造は自己責任で個人的に実験する目的で行ったもので、この記事をご覧になっている方々に勧めるものではありません。

暗い廊下の壁スイッチを照らしたい

きっかけ

夜に廊下の照明を落としていると、壁のスイッチの位置が分かりにくく暗闇の中で探すことがありますよね。
それに加えて廊下とトイレの照明スイッチが一つのパネルにまとまっていると押し間違えてイライラすることも。

スイッチに「廊下」「トイレ」と印刷したテープを貼ってみたものの、そもそもスイッチが暗くて見えません。
ならば夜間は廊下の照明を点灯し続ければ良いのでしょうが、電気代のことを考えるとなかなかそうもいきません。

この問題を解決する手段の一つとして、暗くなって人の動きを感知すると「明暗・人感センサー」で自動的に点灯する照明を設置するというものがあるので、それが問題解決に叶うものなのか検討してみることにしました。

センサーライトの調査

さて、「センサーライト」には様々なものがありますがどのようなものを選べばよいのか?
現在販売されている商品を調べてみたところ、室内で使用する物として以下のようなものがあることが分かりました。

  1. 100V電源使用で壁のコンセントに直接差し込んで使用するもの
  2. 既存の天井照明をセンサー付きE26ソケット電球に置き換えるもの
  3. 設置場所が自由になる乾電池使用のもの

この中で「1」の壁のコンセントに刺して使うものですが、そもそも壁スイッチを照らしたい高さにコンセントがなければ意味がないので今回はパス。実を言うとこのコンセント差し込みタイプのものは持っていたので延長タップを仮設して試してみましたが、眩しいだけで「壁スイッチを照らす」という今回の目的には合いませんでした。

LED明暗人感センサー式ナイトライト 室内用|NIT-ALA6JSQ-WN 06-0148-オーム電機ダイレクト
【 特 長 】● コンセントに差し込むだけの簡単設置● LEDを上向きにすれば周囲を明るく、下向きにすればフットライトに● 明るさ約45ルーメン● 周囲が暗くなり人が近づくと約10秒間点灯します● 耐トラッキングPSE新基準(平成27年1月...

続いて「2」のセンサー付き電球。そもそも壁の照明スイッチを切ってしまうと機能しないのでこれもパス。100円ショップなら500円程度で入手可能だし電球交換のみで上から照らすという部分では理想的なんですけどね。

LED電球人感センサー付き(40W形相当、昼白色)
原産国:中国 商品サイズ:6.3cm ×6.3cm ×10.6cm 内容量:1個入 材質:カバー:ポリカーボネート、ヒートシンク:ポリアミド、口金:ニッケルメッキ 種類:アソートなし お買い上げの前に 取り付け可能な器具の例 E26口金で、...

そして「3」の乾電池式。設置位置の自由度から言ってこれが理想的ではあるんですが、電池式ということで当然ですが電池交換が必要です。しかも単四電池三本使用というものが多く電池寿命を考えるとコスパが悪いです。
(最近は充電式の物もあるようですが充電が必要という時点で電池交換式と大差ありません)

しかしこのタイプは100円ショップなら本体価格が概ね500円以下なので手軽に試すことができて、目的にかなわない物だったとしてもダメージが少ないところに魅力を感じます。

センサーライト バータイプ 電球色
原産国:中国 材質:本体:マグネット、本体:ABS樹脂 商品サイズ:19cm ×2.1cm ×2.3cm 内容量:1個入 種類:アソートなし 単4乾電池3本使用 電池を入れてから使用。

消去法的に「3」の乾電池式を採用したいところですが、課題の電池交換をどうするか?
多くは4本パックで販売されている単三・単四乾電池ですから交換時に一本余ってしまい中途半端だし、使用頻度によっては頻繁に交換する必要がありそうでそこが最大の懸念材料です。

ということで何とかならないかとネット検索してみると、このタイプのセンサーライトの電源をUSB5Vで供給するという改造をしている例が見つかりました。
電池三本使用のタイプなら使用電圧は4.5Vなので電圧の近いUSB電源を流用するということで、直結あるいは抵抗を入れて調整するという改造ができそうです。
長さのあるUSBケーブルをセンサーライトの基板に半田付けすれば壁のコンセントの位置に縛られず、ある程度自由に理想的な位置に設置できるかもしれません。

ということで今回は100円ショップで購入した明暗・人感センサー付きの乾電池式センサーライトをUSB電源化して設置することとしました。

センサーライトのUSB電源化改造

センサーライトと材料の用意

設置場所なども含めいろいろ検討した結果、以下の商品をUSB電源化して使用することにします。

センサーライトバータイプ(電球色)外観

センサーライト 本体は「100円ショップ FLET’S」で購入しました。
上の方で例にあげたダイソーで販売されている物と同じ物だと思います。

SENSOR LIGHT BAR TYPE -WARM WHITE-
センサーライト バータイプ(電球色)

  • センサー反応角度:約90°
  • センサー反応距離:約3-5m
  • 明暗センサー付き
  • マグネット付簡単設置
  • 単4電池3本使用
  • 4.5V/240mA 55lm
  • 連続点灯:約7h

価格は税込330円でした。

センサーライトのUSB電源化改造に集めた物

電池使用なら別途単4電池を三本用意すればそのまま使用することができます。
今回は乾電池の代わりにUSB電源で5Vを供給するので、手持ちのUSB電源アダプター(5V/1A)と、加工と取り回しの良さで以前ダイソーで購入したUSB延長ケーブル2.5mを用意しました。

基本構成としてこれらのパーツを使ってセンサーライトのUSB電源化改造をしていきます。

分解と改造方法の検討

材料が揃ったところでまずはセンサーライト本体を分解して基板上の電源部分を確認をしてみます。
電池ボックスの端子部分から追っていって基板上のバッテリープラス・マイナス部分にUSBケーブルの各配線をはんだ付けする形で加工しましょう。

センサーライト本体の分解は、まず接着された発光部のカバーを本体ケースと分離させるところから始めます。

精密ドライバーやギターのピック等、薄くて硬めなものをカバーと本体の隙間に差し込み、複数の道具を併用してテコの原理で少しずつ端の方から接着を剥がすことで分解することができました。

センサーライトバータイプのカバーを外した状態

カバーと本体を分離すると二本のネジで固定された基板が見えます。
基板上の「+B」「-B」と印刷された部分に電池ボックスの接点が直接はんだ付けされていました。

ちなみに「-B」部は基板上のネジを外せばスプリング状の接点を上に引き抜くことができますが、「+B」部分はハンダを除去して接点を外さないと本体から分離できない構造となっていました。

電圧について

前段でセンサーライト本体を分解できたので、基板をケースから分離してUSBケーブルをはんだ付けしてしまえば作業はおしまいです。が、念のため用意したUSB充電アダプターの出力電圧がどの程度なのかテスターで計測してみると約5.2Vほど高めな値だったのでちょっと心配になりました。電池使用時の4.5Vから比べると流石に高すぎると思い、別の「au 共通ACアダプタ03」の出力電圧を測ってみたところ電圧は4.9V位であることが分かりました。

これでも定格電圧からはまだ高めなので、たまたま持ち合わせがあった整流ダイオード「1N4007」プラス配線に追加して電圧を少し下げてみることにしました。LEDの逆流保護も兼ねられて一石二鳥になるといいですが。

センサーライトのUSB電源化改造に使うパーツ群

ということでUSB電源アダプターにカットしたUSB延長ケーブル+整流ダイオードを仮接続して電圧を計測、4.6V程度まで電圧が下がったので今回はこの組み合わせで改造を進めていきます。

USB電源化改造の流れ

改造に必要な部品が揃ったのでUSBケーブルをセンサーライト基板にはんだ付けしていきます。

センサーライトのバッテリー端子を外す

カバーを外したセンサーライト本体の基板上にある「+B」「-B」部分のハンダをはんだ吸い取り機を使って接点を分離、固定ネジ二本を外して本体ケースから基板を取り外します。

センサーライト本体にUSBケーブルを通すあなを開ける

続いて本体に用意したUSBケーブルを通すため、ケーブルの直径を測って3mmほどの穴をハンドドリル等で開けました。

穴あけしたセンサーライト本体にUSBケーブルを通す

カットしたUSBケーブルのプラス配線(赤)に整流ダイオードを向きを間違えないようにはんだ付けして熱収縮チューブで保護、先ほど穴あけした本体に配線を通したら抜けどめの結束バンドを取り付け。

基板上の電源線半田付け位置

配線のマイナス側はUSBケーブルの黒配線を基板裏側からはんだ付け、プラス側配線はいったん電池ボックスの中を通して本体接点部分の穴から基板裏側から「+B」部分にはんだ付けしました。

USB配線の基板接続位置

配線と基板の位置関係は画像のような感じです。配線が隠れるように基板の下側からはんだ付けしましたが、見えてもいいなら上側からはんだ付けする方が簡単です。

+配線の整流ダイオードと基板接続の位置関係

はんだ付けした配線を本体ケースと基板の隙間に押し込んで基板を二本のネジで固定。
電池ボックス内の整流ダイオードを取り付けたプラス配線はこんな感じ。

改造後の電圧・電流の確認

あとは最初に剥がした発光部のカバーを接着して出来上がりですが、その前に動作と電圧の確認をしてみます。

USB電源化したセンサーライトの電圧

100V電源をつないでセンサーライトのスイッチをオン、点灯状態にしてUSBチェッカーで電圧を計測してみると概ね4.68Vの表示が出て、乾電池使用時の4.5Vより若干高めなもののまあまあ許容範囲内という感じ。
ケーブル長を長くすればさらに電圧を下げられるようですが今回はこれでヨシとしておきます。

USB電源化したセンサーライトの電圧

電流の方は0.12Aということで、箱に記載のあった240mAより低くこちらは問題なさそうです。

USB電源化したセンサーライトの完成

動作と電圧・電流の確認ができたので仕上げとしてカバーを接着して今回の改造作業は終了。

USB化改造したセンサーライトバータイプとUSB電源アダプター

ということで電源を乾電池三本からUSBで供給する形に改造した「明暗・人感センサーライト」が完成しました。

百均で販売されている電池を三本使用するタイプのその他のLEDライトをUSB電源化する際は今回の改造方法が応用できそうですね。

改造したセンサーライトの設置

さて無事にUSB電源化したセンサーライトができたので問題の暗い廊下に設置してみるとしましょう。

センサーライト本体にマグネットが埋め込まれているので、最初はそれを利用して壁に金属の細い板を両面テープで固定して簡単に脱着できるようにしようかと考えていました。

センサーライトの設置に使うYAMORI GRIP

手元にあった15cmのステンレス定規がちょうどいいサイズだったのでこれを両面テープで貼り付ければいいか考えてましたが、そもそもセンサーライトは頻繁に脱着するものではないのでありません。
たまたま手元に「YAMORI GRIP」という粘着ゲル両面テープがあったので、これなら接着面への影響が少ないでしょうから本体そのものを設置面に直接固定してしまうことにしました。(これも100円ショップで購入可能です)

この粘着ゲルテープというのはそこそこ粘着力があって簡単には剥がれないし、剥がした跡も残りにくいようなので使い勝手が良さそうですね。

YAMORI GRIPの貼り付け箇所

センサーライトの取り付け場所は部屋の引戸の枠の上側にしたいので、センサー本体の奥側と上側の左右それぞれ二箇所、計4箇所にゲルテープ貼って固定する事としました。

USB電源化改造したセンサーライトの取り付け位置

ということで、引き戸の枠の上側にUSB電源化したセンサーライトを貼り付けてみました。
バータイプなので出入りする時に邪魔にならないのがいいですね。

USB電源化したセンサーライトを設置してみて

USB電源化したセンサーライト設置しその日の夜になってから動作確認をしてみました。

USB電源化改造したセンサーライトを点灯した状態

写真の通り眩しすぎない明るさで下向きに広く照らし人感センサーの反応も良好。
問題だった壁の照明用スイッチの位置も一目でわかるようになりました。

ちなみにセンサーライトの電源スイッチは一回押して常時点灯、もう一度押してセンサーモード、さらにもう一度押して電源オフとなるので、常時点灯が必要な場合や電源オフにも対応できて便利そうです。


という事で長年の課題であった暗い廊下の壁のスイッチ問題はUSB電源化した百均の改造センサーライトで無事解決となりました。

電源電圧が若干高いことによるトラブル発生の可能性は今後も注視していかなければなりませんが、まずはこれまでの懸念事項が解決して結果としては満足ですね。

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